脳卒中とは、脳の血管が詰まったり破れたりすることによって、脳が障害を受ける病気です。脳の血管が詰まる病気を『脳梗塞』、脳の血管が破れるタイプの病気を『脳出血』、あるいは『クモ膜下出血』といいます。脳卒中は、がん、心疾患、肺炎に次いで日本における死因の第4位となっています。 (厚生労働省 平成23年 人口動態統計の年間推計より)
脳卒中では以下のような症状が突然起こります。
(社団法人 日本脳卒中協会HPより)
上記のような症状が出た場合、おさまったからといって放置することが最も危険です。 医師の診察を受ける必要があります。
当院では、脳神経内科医4名(専門医3名)、脳神経外科医5名(専門医5名)、脳卒中内科医(専門医1名)に加え麻酔科1名の計11名により、脳卒中急性期チームを組んでおります。 治療の必要のある脳卒中患者さんを24時間365日いついかなるときでもお引き受けできるように、外科系、内科系、リハビリ専門医が一つのチームを組んで包括的に治療にあたる体制を備えています。
脳卒中患者を24時間体制で受け入れ、脳神経外科医と神経内科医、脳卒中内科医さらに放射線技師が連携して治療を行います。 脳卒中は、虚血性心疾患とともに急性期治療が重要であることは言うまでもありません。 神経内科医・脳神経外科医・脳卒中内科医、麻酔科医が、夜間でも当直医とオンコールで連携して脳卒中の治療にあたります。 倉敷平成病院の救急診察室は、主に救急車で搬送された患者さんの初期診断と治療を行います。また、エレベーターで2Fに移動し、すぐの場所に手術室が配置されており、緊急の手術にも迅速に対応できる小回りのきく“機能的配置”になっています。
倉敷地区(人口50万)で年間約700名の方が脳卒中で救急搬送されるそうです。これらの方々の社会復帰される率を上げていくことが大切です。当院では消防救急との連携に努めています。
脳卒中入院患者数 | 平成29年度 | 平成30年度 | 令和元年度 | 令和2年度 |
---|---|---|---|---|
脳梗塞 | 186 | 175 | 102 | 168 |
脳内出血 | 47 | 41 | 16 | 33 |
くも膜下出血 | 11 | 4 | 2 | 4 |
一過性脳虚血発作 | 21 | 21 | 15 | 17 |
専門的診療件数 | ||||
脳動脈瘤クリッピング術 | 4 | 3 | 4 | 5 |
t-PA | 8 | 8 | 5 | 7 |
マルチスライスX線CT検査 当院では、TOSHIBA社製 Aquilion PRIME Focus Edition(80列)が稼働しています。 そして、CTやMR検査で得られた画像から3D画像作成や画像解析を行うワークステーション、 ZIO社製 ZIO STATION 2 PLUSも稼働しています。 マルチスライスCTは今までのCTに比べ、人体を広く・早く・正確に捉えることができます。 特徴として、
マルチスライスCTは、患者さんへの負担を軽くしつつ、正確な診断を素早く得るための装置です。
X線撮影やCT検査のようにX線を使用することなく(X線による被爆がありません)、代わりに強力な磁場と電波を使用することによって体内の状態を画像化する検査です。 体内の様々な病巣を発見できますが、特に脳や全身の血管、卵巣や前立腺等の下腹部、四肢などの病巣に関しては圧倒的に検査能力が優れています。MRI装置ではCT検査のように造影剤を使用しなくても血管像を描出することもできます。 3.0テスラMRI装置 現在当院では、2台の3.0テスラMR装置(Philips社製 Ingenia 3.0T、Achieva 3.0T)が稼動しており、内1台については、2016年2月より新機種が稼働しています。高磁場のおかげで今まで見つかりにくかった微弱な病変が鮮明に描出できるようになり、重大な結果を招く可能性のある病気の早期発見が期待できます。 また、「早期アルツハイマー型認知症診断支援システム:VSRAD」の検査も行っています。
血管造影検査は、「カテーテル」と呼ばれる直径1~2㎜程度、長さ50~100cm程の管を足の付け根や腕の血管に挿入し、目的となる所の血管まで送り込んで、造影剤という薬を流しながらX線撮影を行ないます。すると、血管の形態や血流 の状態が連続的に観察でき、動脈瘤・静脈瘤・動静脈奇形・ 動脈硬化、あるいは血栓症による血管の狭窄および閉塞な どの病変が診断できます。最近では、血管を撮影する方法として、X線CTやMR装置等もありますが、血管撮影専用のX線 装置で検査を行なうことで、より細かい血管や血流動態の把握などを行うことができます。検査に要する時間は、通常1時間程度で、痛みはカテーテルを挿入する際に局所麻酔注射する時の痛みだけで、ほかに苦痛となる痛みは殆どありません。
急性期のリハビリテーションでは発症・受傷直後および手術前後から治療・訓練を開始しています。全身状態を配慮し速やかに回復期リハビリテーション病棟へ移行できるよう治療・訓練を行っています。 回復期リハビリテーションでは脳血管疾患の患者さんを主に対象としており、寝たきり防止と在宅復帰を目指しています。365日リハビリテーション(訓練)が出来るよう人員配置しています。それに加え医師、病棟看護師、介護福祉士と協力しあいながら現在の能力を最大限に生かせるメニューを考え、患者さんの意向に沿えるようチームアプローチを心掛けています。介助方法などの説明や指導、お家へ帰られる場合の住宅改修や環境設定などのアドバイスもご本人、ご家族と相談し、より快適に安楽に過ごせる方法を一緒に考えていきます。 ⇒リハビリテーション部へ
当院では、脳卒中治療を終えた患者さんのアフターフォローとして、退院支援にも力を入れています。退院時の相談支援、施設での療養、その後の外来・通所・在宅でのリハビリ、介護サービス等のご相談も受けております。お気軽に医療福祉相談室へご相談下さい。 ⇒医療福祉相談室へ
日時 | 放送局 | 番組名 | 内容 | 出演者 |
---|---|---|---|---|
4月9日 | TSC てれびせとうち | せとうちパレット930 | くも膜下出血 | 高尾聡一郎 |
3月 | NHK岡山 | 脳卒中防止キャンペーン 1分間スポット | 見落としがちなサイン | 篠山英道 |
1月31日 | TSC てれびせとうち | シリーズ医療現場からの報告 | 脳疾患に挑む絆の医療 |
日時 | 放送局 | 番組名 | 内容 | 出演者 |
---|---|---|---|---|
12月11日 | NHK岡山 | 岡山発 脳卒中急性期シンポジウム | 小回りのきく救急体制 | 篠山英道 |
9月9日 | NHK岡山 | ニュースコア6 脳卒中予防キャンペーン | 知っておきたい自分の脳 | 高尾聡一郎 |
8月31日 | NHK全国放送 | ニュース おはよう日本 | 脳卒中時間短縮で患者さんを救え | 篠山英道 |
7月15日 | NHK岡山 | ニュースコア6 脳卒中予防キャンペーン | 救急隊に密着、 脳卒中専門病院へ急げ! | 篠山英道 |
7月13日 | OHK 岡山放送 | OHKスーパーニュース | 夏の脳梗塞に注意 | 高尾聡一郎 |
6月8日 | 山陽新聞 | 岡山の病院力 | 脳卒中 |
脳卒中の危険因子である高血圧、糖尿病、不整脈(心房細動)、喫煙、過度の飲酒、高コレステロール血症に注意しましょう。 高血圧・糖尿病・高コレステロール血症を予防するために塩分・脂肪分控えめの食事、適度な運動、肥満を避けることが重要です。
●脳卒中予防十か条●
(社団法人 日本脳卒中協会HPより)
平成脳ドックセンターでは、MRIやMRAなどの最新鋭の診断装置により、未破裂動脈瘤の発見、脳梗塞の有無、脳動脈硬化の程度などが診断できます。 よりよき人生のために脳ドックで定期的な健康チェックを。 ⇒脳ドックセンターへ